【研究者に聞いてみた】実は個体数が少ない!?謎に包まれた魚「ヒラスズキ」の真実

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2019年03月14日

ヒラスズキは多くのアングラーを熱狂させる魚であり、近年は追い求めるアングラーの数も増えている。

その一方で、生態に関する知見はまだまだ謎に包まれている。

そこで今回は、ヒラスズキの生態を研究している研究者に話を聞いてきた。

研究者が語る「ヒラスズキの真実」

今回話を聞いたのは、ヒラスズキの生態を研究している九州大学助教の新垣氏と長崎大学大学院の樋口氏。

二人とも生粋のアングラーであり、研究対象魚を自ら釣りで採集しているという。

定住性が強い?

ヒラスズキは、基本的に大きく移動しない魚であるのではないかと考えられている。

新垣氏らが2015年に発表した論文によると、標識追跡を行ったほとんどの個体が個体がリリースした場所から2km圏内で再捕獲されているとのことだ。

またJGFAが実施したタグ&リリースの調査においても、70%以上の個体が5km圏内で再捕獲されている。

同調査では一部大きく移動する個体も見られたものの、新垣氏らの実験結果と同様に大きく移動しない個体が大半であった。

これらの結果から、ヒラスズキは定住性が強い魚であるのではないかと推測されている。

生命力が強い

また実験を行う中で、ヒラスズキはとても生命力の強い魚であると感じたという。

論文内の行動追跡実験では魚体に大きなストレスを与えているにも関わらず、多くの個体がその後も生存していることがわかっている

すなわち、魚体を極力傷つけないよう丁寧なリリースを心がければ、高い確率で生き延びるだろうとのことだ

また樋口氏の話によると、フックでエラを傷つけてしまった場合でも素早く海水につけることで止血した経験もあったとのこと。

エラにダメージを与えてしまっても諦めず、ぜひ蘇生を試してみてほしい。

個体数が少ない

新垣氏曰く、ヒラスズキは思っていた以上に個体数が少ないと感じているという。

また、釣るのが難しいと思われている一方で、実は警戒心が薄く好奇心旺盛な魚であるとのことだ。

また、前途の定住性が高いと推測される実験結果も踏まえると、ヒラスズキは居場所さえわかれば容易に釣れてしまう魚であるという。

そのため、アングラーの乱獲による資源の減少が心配されている。

大型のリリースに協力を

一般的に大型個体ほど繁殖能力が高く、資源を維持する上で重要な役割を果たしているといわれている。

世間では「小型魚のリリース」を提唱しているが、資源保護という意味では小型以上に大型をリリースすることが望ましい。

メモリアルフィッシュを持ち帰りたい気持ちもわかるが、末長く釣りを楽しむためには大型のリリースに協力してほしい。

まだまだ深いヒラスズキの謎

今回はアングラーの憧れの魚・ヒラスズキについて、非常に興味深い話を聞くことができた。

まだまだ生態に関する謎は深く、研究で解明すべき点はたくさんあるという。

今後は産卵場所やサラシとの因果関係も研究してみたいとのことで、成果が発表されるのが楽しみだ。

※記事内の写真はイメージであり、新垣氏および樋口氏の研究で使用した個体とは関係ありません。

参考論文

Arakaki S, Kawabata Y & Tokeshi M (2015) Assessing the feasibility of bio-logging research in adult temperate bass, Lateolabrax latus, in subtropical-temperate coastal waters of southwestern Japan. Coastal Ecosystems 2: 42-51

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