
写真提供:須田隆志 様
日本の限られた地域のみに生息する巨大魚のアカメ、イトウ、そしてビワコオオナマズ。これらの魚は希少性の高さや独特の風貌から、日本三大怪魚と呼ばれている。
淡水または河口、沿岸域から狙える1メートルを超える希少な魚とあって、多くの釣り人の憧れのターゲットである彼らは一体どのような魚なのだろうか。基本的な生態や釣り方を解説していこう。
目次
アカメとは?
スズキ目アカメ科アカメ属アカメ(Lates japonicus)
西日本の太平洋沿岸にのみ分布している日本の固有種である「アカメ」。採捕された記録としては静岡県から種子島・屋久島まであるが、高知県、宮崎県が主な分布域となっている。
しかし宮崎県では2006年に指定希少野生動植物として同種を指定したため採捕等が禁止された。そのため、現在では高知県がアカメ釣りの主なフィールドとなっている。
環境省レッドリストでは絶滅危惧IB類(EN)とされていて、各地で保護活動が行われている。
沿岸、河口、汽水域を生活場所にしている肉食魚で、成魚は夜行性で警戒心が強い。
狙う場合は夜釣りがメインで、暗い場所では目が赤く光るのが和名の由来。とても大きく成長し、140cm近い個体も釣獲される。
アカメの釣り方
タックル
タックルはミディアムヘビー~ヘビークラスのシーバスタックル、もしくはショアジギングタックルがよく用いられる。
アカメのメインフィールドとなる高知県の浦戸湾はアカメだけでなくシーバスにも好フィールドのため、シーバスを狙っていてアカメが釣れることもあるという。
もちろんシーバスタックル以上のパワーを持ったロッドを使用してもよいが、ひたすらキャストし続ける確率の低い釣りでそのような重いタックルを使用するのは体力的にもとても酷だ。
必ず獲りたいサイズと自身の体力を考慮してロッドパワーを選択するのが良いだろう。
リールはシマノ[SHIMANO]で4000番以上、ダイワ[DAIWA]で3000番以上のものを使用しよう。
ラインは2号以上のものを200mは巻く必要があるため、この程度のラインキャパシティは必要だ。
アカメはヒットすると強烈なエラ洗いをしながら一気に走るため、ラインが全て引き出されてしまうことがないようにしたい。リーダーは40lb以上を用いる。
ルアーも基本的にはシーバス用ルアーでよい。ミノーやバイブレーション、シンキングペンシル、ビッグベイトを各種揃えておこう。大型のアカメはボトム付近でヒットすることが多いという。
シーバス用ルアーの流用で注意したのがスナップとフックだ。アカメはシーバスとは比べ物にならないファイトをするため、スナップや細いフックは伸ばされる可能性が高いのである。
ルアーはコンビリングで結束し、フックとスプリットリングはより強度のあるものに変えておこう。この際、フックサイズを上げてルアーアクションが変わってしまわないか十分確認しておくとよい。
釣り方
ルアーでアカメを狙う際にメインフィールドとなるのが河口域の橋脚エリア。アカメは橋脚などのストラクチャーに付いて餌を待ち構えているため、その周辺を攻めると良いだろう。
また、アカメのメインベイトはボラや甲殻類のため、ボラの群れが多数居るポイントは釣れる可能性が高い。攻め方は基本的にシーバスの橋脚撃ちと同じである。流れが止まる前後は時合となるため集中して釣りをしよう。
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