クランクベイトでハゼを釣る「ハゼクランク」のやり方と、釣れるおすすめルアー5選
エサ釣りでポピュラーなターゲットであるハゼ。近年、そんなハゼをクランクベイトで狙う通称「ハゼクランク」が注目を集めている。
ここではそんな「ハゼクランク」の始め方について解説していく。
「ハゼクランク」とは
「ハゼクランク」とはハゼをクランクベイトというルアーで釣ることの略称。エサで釣るイメージの強いハゼだが、ルアーで狙って釣ることができる。
またハゼはとても縄張り意識の強い魚だ。この「ハゼクランク」という釣り方は、ルアーを縄張りへの侵入者として認識させ、そこから追い払おうとするハゼの習性を利用したものであると言われている。
ハゼの生態
どこに生息していて、何を食べている?
ハゼは全国的に生息する魚で、釣りをしない人にもよく知られているポピュラーな魚。
淡水と海水のどちらにも生息でき、都心部の河川でも釣れやすい人気のターゲットだ。
大きさは5~20cmほどの小魚で、砂底に隠れながら生息していることが多い。
食性は肉食で、プランクトンや、ゴカイなどの多毛類、小魚などを主に捕食する。
貪欲な性格なので、ルアーにも積極的に食いついてくる一面を持ち合わせている。
釣りやすい季節は?
ハゼは1年を通して釣れる可能性のある魚だが、釣りやすくなるのは7月頃の梅雨明けの時期からだ。
産卵は12~3月の冬の時期に行われ、卵から還って大きくなったハゼを夏から冬にかけて釣ることができる。
特に9月のお彼岸頃がハゼ釣りシーズンの最盛期で、12~15cmほどに成長したサイズのいいハゼが狙いやすい季節だ。
水温の高い時期は浅場にいることの多いハゼだが、冬になると産卵に備えて深場に移動する。これが冬になると狙って釣りにくくなる理由のひとつだ。
中でもよく釣れるマハゼは寿命が1年であるため、産卵を終えるとそのほとんどが生涯を終えることになる。
クランクベイトを使う理由
クランクベイトとは、ルアーの種類のひとつで、大きなリップと高い浮力を持っているのが特徴だ。
根掛かりしにくいのがいいところで、岩や木など、底に沈んでいる障害物をかわしながら泳がせることができる。
浅いポイントでも使いやすく、根掛かりを回避しながら、底をコツコツと叩いてハゼにアピールしてくれるルアーだ。
この根掛かり回避性能は、シングルフックを使用することでさらに高めることができる。
基本的な使い方は投げて巻くだけなので操作も簡単。釣り場の海底をコツコツと叩く感触を確かめながらリールを巻き続けよう。
アシストフックでフッキング率アップ
またハゼの口は小さく、フッキングさせることが難しい。そんなときはアシストフックを使えばフッキングする確率を高めることができる。
自作してもいいし、市販されているものを使ってもいい。
アタリはあるのに針掛かりしない状況では特に効果的となる。
「ハゼクランク」のおすすめルアー5選
マリア 「ポケッツ (POCKETS)ディープクランク DRハゼSP」
マリアの「ポケッツ ディープクランク」をハゼクランク用にチューニングしたルアー。スローフローティング設計となっており、リトリーブを止めたときでも食わせやすい。
スローリトリーブ時ではボトムギリギリでアピールすることができ、通常のリトリーブ時は強いアクションで広範囲にアピールする。
ダイワ「ハゼクランク」
素早い潜行でゆっくりと浮き上がるルアー。水深が深い場所でも底を攻めやすく、ハゼに存在感をアピールできる。
基本性能の高いスタンダードなハゼクランク用ルアーだ。
ラッキークラフト「ディープクラピー SFT BELL」
投げて巻くだけで広範囲にアピールするルアー。ラトル入りとなっているため、さらに高い集魚力を有している。
根掛かり回避性能にも優れたルアーだ。
デュオ 「テトラワークス クラクラ」
極薄リップの搭載でデッドスローリトリーブに対応する。
低活性のハゼにも時間をかけてアピールすることが可能で、キャスタビリティも優れているため広範囲を攻略できる。
ダイワ「ハゼクランクJr.」
全長27mmの小粒サイズの食わせルアー。ラトル入りなので小さくとも高いアピール力を持つ。
なかなか針がかりしないときには特に効果的だ。
「ハゼクランク」に適したタックル
「ハゼクランク」はライトゲームタックルで手軽に楽しむことができる。
アジングやメバリング用タックルを代用してもいいし、少し柔めのエギングロッドなどでも楽しむことが可能だ。
この他にも管理釣り場(エリアトラウト)で使うタックルをそのまま流用してもいい。
ロッド / ダイワ「 月下美人 アジング 74L-S 」
ロッドは7~8フィートクラスのライトゲームロッドを選ぶといい。
リール / ダイワ「 レブロス 2004H」
リールは1000~2000番クラスが使いやすい。巻取りの速いハイギアタイプもおすすめだ。
ライン / ラパラ「ラピノヴァX 0.3号 」
ラインは水に沈みやすく根ズレに強いフロロカーボンの3〜8ポンドがおすすめだ。
飛距離を重視したい場合はPEラインでもいい。
リーダー / ラパラ「ラピノヴァ フロロカーボン ショックリーダー 30m (4lb~8lb) 」
もしPEラインを使用する場合は0.3~0.6号のPEラインに、フロロカーボンリーダーの3~8ポンドを組み合わせておくようにしよう。
どこで釣れるの?
水質や底質に注目してみよう
「ハゼクランク」をするのにおすすめのポイントは河川の河口だ。
淡水と海水が交じる汽水域のポイントはハゼが好みやすく、底質が柔らかい砂地であればなおいい。
ポイントは潮の引いた干潮時に確認しておく。
その釣り場の底質は何か、岩やカキ殻などの障害物はあるか、などを見極めておくと釣果につながりやすい。
この他には橋脚や水門など、変化のある場所はハゼが潜んでいる確率も高くなる。
ポイント選びのコツとしては、深くても1m前後までの水深を選ぶことだ。
「ハゼクランク」は水深が10cmでもあれば成立するため、基本的には水深の浅い干潮時に狙うことをおすすめしたい。
「ハゼクランク」の釣り方
釣り方はとても簡単
基本的な釣り方は投げて巻くだけだ。巻き始めるとブルブルとクランクベイトの感触が伝わってくる。
ハゼがヒットしたときはグングンッというハッキリとしたアタリがあるので、軽くアワセてやり取りを楽しもう。
また「ハゼクランク」は、ルアーに海藻やゴミなどが絡むことも多い。
ブルブルとしたクランクベイトの振動が伝わってこなくなったら、軽く竿先を煽って海藻を引き離そう。
それでも取れないときは一度回収して、きれいに取ってから投げ直す。
岩などに根掛かりしそうなときは、ゆっくりと巻きながら回収すればいい。クランクベイトの浮力を活かせば、根掛かりを回避できる確率が高くなる。
コツは間を作ること
ハゼは口が小さいため、フッキングが決まらないことが多い。
ルアーには積極的にアタックしてくるので、簡単そうで釣れないという、もどかしさもゲーム性として楽しめる。
そんなときは巻くのをピタッと止め、食わせの間を与えてみよう。
止まったタイミングでクランクベイトが底から軽く浮き、動きが変わったその瞬間にハゼアタックしてくることが多い。
この場合はハゼが下から食い上げてくるため、ハリ掛かりもしやすくなる。
これはハゼが足元までクランクベイトを追って来ているときにも有効だ。
「ハゼクランク」で釣れる外道たち
ハゼが狙えるポイントは、他の魚にとっても生息しやすい場所であることが多い。ハゼ以外には、チヌやマゴチ、セイゴ(スズキの幼魚)、などがヒットする。
これらの魚は大型で強烈な引きを見せるので、ライトタックルでは非常にスリリングなやり取りが楽しめる。
事前にこれらの魚が釣れるとわかっているときは、少しだけ太めのラインを使うのもキャッチする確率を高めるコツだ。
ハゼ以外にも様々な魚が釣れるのが「ハゼクランク」の魅力のひとつである。
まとめ
「ハゼクランク」は近年人気の高まっている釣り方。ルアーでハゼが釣れるイメージがわかない人も多いかも知れないが、初心者でも楽しめる釣り方だ。
秋の最盛期を迎えるタイミングで、ぜひ「ハゼクランク」にチャレンジしてみてほしい。