舞鶴湾に生息する15種の魚やクラゲを独自の手法で12年間にわたり解析した結果、生物の間に働く複雑な関係性(目には見えない力)をとらえることに成功したと龍谷大と京都大の研究チームが発表した。
生物の間に働く複雑な関係性(目には見えない力)とはどういったことなのか解説していこう。
生物の間に働く複雑な関係性(目には見えない力)とは
生態系における生物種間には、特定の魚が増えると別の魚が減るといった種間相互作用と呼ばれる力が働いているというのが定説だ。
しかしながら、この種間相互作用を証明するのは困難とされていたため、正確な検証はされていなかったという。
今回、龍谷大と京都大の研究チームが発表した、「生物の間に働く複雑な関係性(目には見えない力)をとらえることに成功」というのは「種間相互作用の証明」に成功したという発表といえる。
舞鶴湾の生物の間に働く複雑な関係性(目には見えない力)
特定の魚が増えると別の魚が減るといった種間相互作用を正確にとらえた結果、夏や冬に生息する生物の季節周期やその増減、その理由までもを突き止めたという。
舞鶴湾の魚類群集は、魚種の種類が多くなると、魚同士(別種)の種間相互作用が弱くなり、全ての個体数が多くなり安定する。
その逆で魚種の種類が少なくなると、魚同士(別種)の種間相互作用が強くなり、全ての個体数が少なくなるという。
共同発表された公式サイト
共同発表:海に生息する魚種間にはたらく複雑な関係性を捉えることに成功~緩い種間関係と種の多様性が生態系を安定化~
日本や世界の海中の解析に期待したい
舞鶴湾の種間相互作用を解析できたということは、あなたのホームである海も解析できる可能性もあるということだ。
魚の減少で嘆かれることの多い昨今で、自然のバランスの変化が証明されたことは、アングラーにも嬉しいニュースだといえるだろう。
龍谷大と京都大の研究チームに敬意を払いつつ、今後の動きにも期待したい。