2018年〜2019年の冬は、エルニーニョ現象の影響から「暖冬傾向」にあるとの見方が強まっている。
海や川、湖などの自然のなかで楽しむ釣りは、アウトドアのなかでも暖冬の影響を受けやすい部類なため、暖冬を喜ぶアングラーも多いのではないだろうか。
今回は暖冬が釣りにどのような影響を及ぼすか解説しよう。
2018年12月〜2019年2月までの海洋と大気について
上の図は気象庁が発表した、向こう3か月(2018年12月〜2019年2月)の天候の見通しだ。
注目してほしいのは紫色の矢印の偏西風。今年は平年に比べて蛇行しているのがわかる。
また平年より東日本以南の上を通過するため、北からの暖気が弱くなる見込みだ。
「暖冬」が及ぼす釣りへの影響まとめ
西から北の季節風が弱くなる
例年冬になると、西から北の季節風が強くなる。
そのため、風上が海である九州西部や日本海側の地域などは風や波が強くなり、釣りをするには厳しい季節になってしまう。
しかし暖冬になると季節風が弱くなり、暖かい空気を運ぶ東から南の風が吹きやすくなるため、風や波の点から考えると九州西部や日本海側は釣りがしやすい天候になることが多い。
反対に太平洋側や九州東部は例年より風や波の影響が強く、釣りがしにくい天候になることが多いだろう。
池や湾内の魚の活性が下がりにくくなる
日本周辺の海流は複雑に流れているため、外洋では暖冬による影響は少なく、一定の傾向はない。
しかし海流の影響を受けにくい湾内や湖・池などは気温や風の影響を受けやすいため、例年よりも水温が下がりにくく、魚の活性が下がりにくい。
また水温が下がると深場に落ち込む魚も、浅いタナに残ることがあるので、釣るチャンスが増えるだろう。
春の水温上昇が早くなる
暖冬になると気温が高くなるため、山間部で雪が降っても溶けやすく長期間積もりにくい。
春先の雪解けで水温が下がることがなくなるため、水温上昇が早くなり、乗っ込みシーズンも早まる可能性がある。
ポイント変化の可能性
暖冬以外にも様々な要因があるが、例年の気温で良く釣れていたポイントが釣れなくなり、全く釣れなかったポイントが釣れるようになる場合もある。
毎年良く釣れていたポイントで釣れなくなったら、普段向かわないポイントにも足を運んでみよう。
例年と気候が異なることを意識しておこう
暖冬の年は例年と少々異なることを意識して釣りを行わなければならない。
しかし気温が高いことで釣りがしやすいのは間違いないので、「冬は寒い」と釣りを避ける方も今年は冬の釣りに挑戦してみよう。