渓流や野池だけではなく、堤防や磯でも遭遇することのあるスズメバチ。その死傷者は熊やヘビより多く、毎年20~30名ほどが亡くなっている。
スズメバチは女王蜂しか越冬できないと言われているため、春から秋にかけて活動期に入ることが多い。
今回はそんなスズメバチによる被害を防ぐ方法と、万が一刺されたときの応急処置方法を紹介しよう。
スズメバチによる被害を防ぐ方法
7〜10月は特に気をつける
スズメバチの数が多くなり、一番活発になるのが7〜10月の時期だ。
最も気をつける時期は7〜10月だが、春から秋にかけては常に気をつけるようにしてほしい。
山に行く時には以下の場所にハチの巣がないか注意しよう。
スズメバチの巣ができるところを把握する
スズメバチが巣を作る場所はある程度決まっており、活発な時期は近づかないように意識することが大切だ。
巣を作る場所は主に以下のようなところが挙げられる。
山中で気をつける場所
- 切り株
- 土中
- 茂みのなか
- 大きな木のうろ(樹洞)
山間部の住宅で気をつける場所
- 鳥の巣箱
- 家の軒先や天井裏
スズメバチに威嚇行動をされたら、ゆっくり逃げる
気をつけてはいても、なかなか気づきにくいスズメバチの巣。
注意していても近づいてしまった場合は、スズメバチが以下のような威嚇行動をとるため、焦らずゆっくりと後ずさりしつつその場から離れよう。
- 自分の周りをしつこく飛ぶ
- 自分に狙いをつけて空中で停止する
- 顎を噛み合わせて「カチカチ」という音を立てる
手で振り払ったりせずに、ゆっくり動いて逃げることが大切だ。
スズメバチの被害に遭いづらい服装をする
スズメバチは黒いものに対して真っ先に攻撃するため、活動期に黒い服装で山間部に侵入するのはやめておこう。黒に比べると白や黄色の服装がお勧めだ。
また香水や化粧品などに含まれる成分の中には、スズメバチの攻撃行動を刺激する警戒ホルモンが含まれていることがある。
無駄に刺激することになるので、香水や香料の入った制汗剤、整髪料などの使用は控えよう。
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