「チヌ」と聞くと、真夏の釣りをイメージされる方が多いのではないでしょうか。
実をいうとそのイメージは「クロダイ」に関してあてはまるもので、「キビレ」に関しては、真逆の『真冬がハイシーズン』という一面があることをご存知でしょうか。
クロダイ(チヌ)とキチヌ(キビレ)のうち、真冬に一般河川や運河(温排水などの人工的高水温域がないエリア)で、狙って釣れる確率の高いターゲットは後者のキビレです。
秋に産卵のために海へ下っていた個体が、徐々に湾奥部や汽水域に戻ってくる、いわゆる「アフター期」と呼ばれる季節で、早い地域では10月下旬〜11月初旬ごろからスタートし、大よそ1月いっぱい頃までは、盛夏のハイシーズンにも劣らない冬の最盛期を迎えます。
水温にして5℃前後までをキープする地域の河川や運河であれば、このゲームはどこでも変わらず楽しめます。
キビレが多い地域であれば、変わらず存在するひとつのシーズナルパターンです。
そんな冬のブリームゲーム。
水温の下降期にあたる、シーズン初〜中盤のタイミングでは、デイゲームでのボトムワインド釣法で、ハイシーズン並みのエキサイティングなゲームが楽しめます。
また、厳寒期の2月中旬〜3月いっぱいのシーズン終盤は、ボトムズル引きでのスローゲームで引き続き釣果を得ることができ、そのまま春、そして夏のハイシーズンへと移行するので、かなりのロングスパンで楽しめるターゲットです。
デイゲームでのワインド釣法で使用するのは、「マルチロック 5.0g-#4」 に、爪をカットした「扇クロー 2.0inch」。
基本操作も非常に簡単で、キャスト後の着底からロッドを3〜4回ほど巻きシャクり、そのまま再度着底するまでカーブフォール。この繰り返しです。
バイトは、「フォールし始めた瞬間」か、「着底直前」に多い傾向があります。
ゴンッ! と明確なバイトがでる時もあれば、着底と区別できないほどのラインスラックが緩むだけのバイトも多いので怪しいと思ったら、ききアワセてみるように心掛けています。
狙うべきスポットは、河川や運河の中でも最も水深がある流心部。
冬季はある程度の範囲に群れでまとまっているケースも多く、居場所さえ特定できれば1スポットでツ抜け釣果!!・・・なんてことも起こる季節ですので、ぜひそんなハニースポットを探し当てる楽しみにもトライしてみてください。
最後に、ライトタックルそのままで楽しむライトブリームゲームでは、フィニッシュを飾るランディングネットの存在は欠かせません。
無理な抜き上げやズリ上げは、タックルを傷める原因となるので、忘れずに携帯するようにしましょう。
身近な河川で、パワフルなファイトを存分に楽しめるライトブリームゲーム。
「真冬の厳寒期、アジはシーズンオフだし、メバルもアフター初期で奮わないんだよなぁ…。」
そんなタイミングにでも、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。